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いじめ
 イジメって言うと直ぐに頭に浮かぶのが、子供の集団イジメ、仲間はずれ、集団嫌がらせ、集団暴行ね。要は弱い者イジメの事よね。でも今回は、少し違うところから話しをしたいのね。
 今から4年くらい前に成るかしら。住んでいた地域の小学校で日本語の授業があるので、その日本語の先生(この国の女性)をサポートしていたのよ。発音の修正だとか、スピーチコンテストの練習とかに、本物の日本人の私がボランティアで、その学校のお手伝いをしていたわけ。その時の体験を話すわね。
 クラスに必ず2、3人は落ち着きのない変わった子供って居るものなのよね。その女先生は、自分の授業の妨害だとか、態度が悪すぎるとか言って必ずある子を教室から出して廊下に立たせたのよ。あげくに、担任の先生に連絡をとって、その子を罰するのね。静かに罰を与えて、「100回同じ文章を書かせる」とか「詫び状を持ってこさせる」に留まるなら、多少授業中に無駄話した罰としても重いけど、仕方がないか、と言う範囲よね。ところがこの女先生、その子の人格メタメタに傷つけるようなことを、他の生徒の前で平気で言うのよ。その子の心の傷として大人になってからも残るくらいね。
 ある時、余り酷いから「エネルギーのある子はじっとしていられないし、そのエネルギーを将来有効に使えるような人間に育てるのが、先生の喜びじゃないのか」とも、「良くガキ大将ほど将来大物になると言われてるでしょう」とか、その女先生に言ったのよ。そしたらその女先生は、「今の内に矯正しておかないとどんどん悪くなるから、直して上げてるんだ。手を挙げると暴力行為で訴えられるけど、口で言う分には、何を言っても訴えられることはない」と言うじゃありませんか。
 これは完全に先生のイジメだと思ったわね。
 先生だって人間だから、感情の動物だし、好きな子と嫌いな子が同じクラスに出来ることも解るけれど、心の中で抑えられる人格が教師という職業には絶対必要だと思うのよ。
 教職員免状さえ取れれば、誰でも教師に成れるというのが先生の質を悪くするのかも知れないと思ったわね。
 教職員課程の中で、教師になる際、精神テストなんか受けさせないわけでしょう。幼児愛好者だってテストを受けさせれば解るだろうし、情緒不安定なんて言うのも不適格者だと思うのよ。
 学校という場所は、子供の人生の中で、家族と居るより長い時間過ごしているかも知れないのよ。その学校の象徴である先生が、情緒不安定で、ある時は凄く機嫌が良くて何をやってもOKで、同じ事をしたのに、ある時は罰せられ罵られる。これじゃあ、子供は良い悪いの基準を何処で作ったらいいのかしらね。
 その何時に叱られてた男の子って言うのが、私の家の直ぐ近くに住んでいて、敬虔なるクリスチャンの家族なのよ。その男子は小学校を卒業して、私立の中学に行かせたのね。スポーツ部のキャプテンになって凄く活躍していたわよ。
 私の息子も、日本で小学校高学年の時に、担任の先生から何かにつけていじめられていたのよ。たまりかねて、教育委員会に文句を言いに行った訳。そしたら教育委員会の人が、
 「卒業内申書は担任の先生の手に握られているのですよ、今私どもが動くと、その先生を辞めさせるだけの理由がないと、あなたのお子さんは凄く不利になる。いわば人質に取られていると思われた方が良いですよ」
 これが教育委員会の返事だったの。無論、不当な扱いを我が息子が受けたことは、教育委員会も認めてくれたのよ。
 私はね、この国でも、日本でも、先生になる人の人格検査と精神検査はした方が良いと思うのよね。
 親は誰だって、先生にゴマをすらなくても自分の子供が愛情豊かに、楽しく学校で勉強してきて欲しいと願っていると思うのね。
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