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不動産という名の不財産
 不動産は書いてある字のごとく、動かない財産のことを言うのだと思ったわよ。
 不と言うのは、「語の前に付けた打ち消しを示す語」と有るのね。だからきっと、動産じゃない、動かすことが出来る財産ではない。要するに「財産じゃない」って事になると解釈したいくらいに、今の日本の不動産はひどいものよね。
 そりゃあバブルの時の不動産もひどかったわよ。凄い時なんて2ヶ月ぐらいで倍になった時もあった位ですものね。でも値上がりすると思うから、銀行からお金借りてもみんな一生懸命買った訳よ。銀行もお金貸して、20年くらいで貸したお金は倍になって戻ったのよね。急に凄く値上がりしたから、みんなバブルだって反感買ったのかも知れないけれど、 確か景気は良かったわよね。それをなんだか政府が無理矢理金融引き締めしたり、公定歩合を8.3パーセントにも引き上げたりして1990年のバブル崩壊をさせた訳よね。それから日本の景気も不動産の価格も、ズルズル落ちっぱなしじゃない。ゴムの切れたパンツはいているのと同じよね。
 その点、私の住むこの国の首相さん、ドルが米ドルの半分になっても全然動じなかったわよ。「還って外国資本が導入しやすくなって良いじゃないですか」ですって。その上内需を拡大すれば問題はないと言って、消費税を一挙に10%も引き上げた後に、住宅ローンを低金利で貸し、政府の肝いりで、住宅をたくさん供給をしたの。牛や馬や羊では、内需は拡大されないから、この広い土地にじゃんじゃん家を建て 売りまくってる訳よ。「人口が少ないのに大丈夫かな」と思ったけれど、やっぱり都心の値上がりは2倍になったわよね。
 今や高校卒業して仕事さえしてれば、誰でもローンが付けられるのよ。私は日本のバブル崩壊を見ているから、この国も危ないとは思うわよ。でも日本とは、国のトップの考え方が少し違うと思うのよね。一流企業に勤めて無くても、仕事さえしてればローンが借りられる。ということはその若者が歳取るまで働かせて、収入の一部をローンの返済として搾取できるわけでしょう。
 物事、長いスタンスで計画しないと駄目よね。日本なんか何でも付け焼き刃じゃない。前の総理大臣の尻拭いさせられたり、拭えればいいけれど、拭う前に自分の椅子まで危なくなるのですからね。
 何か新しいことしようとすると、同じ党内で足を引っ張ったり…。日本は不動産の価格をここまで下げて、一体誰が得をしてると思うのかしら。それは外国の金持ちよ。今の日本の不動産価格なら、お金さえ有ればたやすく買えるもの。そして気が付いたら、日本の目抜き通りはみんな外国人の所有ってな事になってるかもね。
 不良債権処理なんて言って不良債権にするより、その担保の価値をもう少し上げるような政策取れないかしら。今の日本人達、何にも財産無いから、しょげ返ってるじゃない。
 株も駄目、不動産も駄目、銀行預金の利息も駄目。ダイヤの価値もガラス玉。なんだか怪しい先物とか言う投資だって、 日本人の人の良さで売り買いしたって、ディーラーにとっては赤ちゃんに買い物させるみたいなものよね。
 経済の上がりカーブが必要なら、土地の上がりカーブも必要じゃないの。この話をするのって、「あのバブル再現か」みたいな極端な拒否反応を示す人が多いんだろうな。
 日本人て案外右か左しか考えられなくて、真ん中の中庸ってのがないのよね。そのくせ一人孤立して戦えないし。みんなの顔色見て、多い方に賛成みたいなとこばかりでしょう。
 今の経済企画長さんだって、慶応卒、生え抜きで頭の良い人だって言うじゃない。どうして、もっとメジャーな考え出来ないのかしら。みんな貧乏したこと無い人ばかりが、政治家だから、解らないのよね。
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