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日本人には、お金があっても財産がない
 1990年以降、日本で自分が持っているものでこれは財産だと思えるものって有るかしらね。
不動産駄目でしょう、ダイヤモンドなんて、買うときは高いけれど、いざ売却しようとしたら、ガラス玉と同じじゃない。 株は下がりっぱなしだし、為替なんかに素人が手を出したら火傷しに行くようなものでしょう。なけなしの財産老後のために貯金したって、銀行利息はただ同然でしょう。
 偉い先生がこれからは「金だ」と1990年くらいから叫んだり書いたりしていたけれど、金の相場もパッとしなかったのよね。やっとイラク戦争があるとか第三次世界大戦に突入してしまうのじゃないか、何て噂されるようになったこの頃、金相場が上昇してきたのよね。
 その金だって、誰かさんが金相場を操っていて、何時又暴落するか解らないのよ。金相場はアメリカの市場で相場が決定されて、それが各国の為替レートに計算され直して、金の相場が決まるようになっているのよね。
 私も1月の終わり頃に金が上がるという予感がしたから、金のコインを買いに行ったの、この国は日本のように大蔵省の刻印が押された延べ棒なんて無いのよ。なんだか解らない金の固まりを買うよりは、コインの方が安全なのね。そのコインが、お店に無いのよ。
 もう既に買い占めた人が居たらしくて、やっと翌日に電話がかかってきて、「やっと集めたよ」と言われたコインの数がたったの3枚だったの。あとは、何千キロも離れている町にしかないと言うじゃない。とにかく世の中みんな不安なのよね。話が横道にそれてしまったけれど、日本人が金を買ったって、家の中に安心してしまって置くわけにはいかないでしょう。そうして考えると、自分の身体しか財産はないと言う事よね。
 お馬鹿なある大臣が、「デフレを食い止めるには 物価を上げなければいけない」と言ったのよね。彼は何故日本がものが売れなくなって、その結果デフレになってしまったのかと言うことが解っていないんじゃない。収入の上昇率が見込めないのに、お金を使ってしまうと老後どうして生きていったらよいか不安になったり、株も駄目、不動産も駄目、余録のお金が入らなくなったから、計算がシビアになってしまったのよね。この辺を政府は何とかしないと、車も売れない、家も売れない状況よ。どんなに立派な家具を買ったって、セコンドハンドの家具なんて、何の価値もないのよ。
 自分の家の中にある物、いったい幾らぐらいに売れるか計算したことある?買うときは高くて、売るときは逆にお金取られて廃棄処分何て物ばかりなのよね。
 いったい日本で生活したら、子供に何を残して上げたら、財産になるのかと考えたことあるかしら。私はね、「自分の生きてきた道に蒔いた種」だと思うのよ。要するに、信用とか、人脈とかよね。
 「ああ、あの人のお子さんだったら、信頼できる」と思われるような生き方を普段からしておく事なのよね。
 自分にとっても、それは大きな財産だと思うわよ。「あいつは守銭奴だから、側に近寄らない方が良い」何て生き方は最低なのよ。もちろん自分にとっても損だし、子供にとっても良くないわ。
 今や日本中見回しても、物は財産には成らなくなってしまったと思わない?「日本の豊かな自然」「日本一の冨士の山」何て自慢できた時代は、とうの昔にどこかに消えてしまったのよね。
 人間の生活には「衣・食・住」の3つが必要なのに、衣と食は中国産、日本で自前で造る住は値下がりのしっぱなし。
 世界に誇れる物が何もない。財産価値も何もない。日本には、財産がなくなってしまったのかしら。せめて、自分たちが日本人であるという誇りを財産として持てるよう、「日本人だから信用できる」という国際的認識を残しましょうよね。
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